「かけちー」の類似品にご注意ください。詳しくはこちら >> 「かけちー」の類似品にご注意>>

月刊 世界のチーズ Vol.11 Bleu des Basques(ブルー・デ・バスク)

●Bleu des Basques ブルー・デ・バスク
■ブルー・デ・バスクはフランスバスク地方のチーズメーカーONETiK(オネティク)が2001年にプロデュースしたオリジナル商品で、2021年の今年はちょうど生誕20周年に当たります。羊乳製の正統派AOPチーズの代表とも言える「オッソ=イラティ(Ossau-Iraty)」の延長線上に位置するチーズで、トム(※1)のように表面にカビの生えた薄い外皮をもち、ロックフォール(※2)をマイルドにしたような風味があります。
■原料乳:羊乳(殺菌乳)
■固形分中乳脂肪:最低54%
■熟成期間:2.5~3ヶ月
■大きさ・形:直径21cm、高さ9cm、重さ3kg / 直径28cm、高さ9cm、重さ5kg
■原産地:フランス、ヌーヴェル=アキテーヌ圏、バスク地方



RECOMMENDED

Bleu des Basques(ブルー・デ・バスク)を
存分にお楽しみいただくためのオススメのパートナー


THE HISTORY OF "ONETiK"


1975年、バスク地方のミルク生産増強に対応するため、3つの小さな協同組合が編成されました。 数年後の1982年、彼らは団結してBerria(ベリア)協同組合を結成。翌年にバスク地方の小さな村「Macaye(マケイ)」にチーズメーカとして創設されたのがONETiK(オネティク)です。





The Basque country

ブルー・デ・バスクの名の由来であるバスク地方について・・・
歴史的な領域としてのバスク地方(バスク語:Euskal Herria)は、バスク人とバスク語の歴史的な故国を指す概念である。ピレネー山脈の両麓に位置してビスケー湾に面し、フランスとスペインの両国にまたがっている。


スペイン側にはバスク州の3県とナバーラ州の計4領域があり、フランス側にはフランス領バスクの3領域がある。バスク・ナショナリズム運動の中で「サスピアク・バット」(7つは1つ)というスローガンが掲げられ、7領域からなるバスク地方の地理的範囲が示された。バスク地方全体の旗としてイクリニャ(バスク国旗)が、バスク地方のシンボルとしてラウブル(バスク十字)がある。
北バスク(フランス領バスク)3地域はピレネー=アトランティック県の一部である。1990年代後半から2013年までは暫定的にバスク地方という行政区分がなされたものの、現在は北バスクを単独で管轄する行政区分は存在しない。

SHEEP

ブルー・デ・バスクを作るためにONETiKが管理する地域の羊は3種


いずれも移牧やピレネー山脈の急な地形に適した専らチーズ製造用の乳用羊です

Collection of Milk


一般的にチーズの製造は大きく3つの業務に分担されます
・Producteur de lait(乳生産者):牧畜を行って乳を生産する
・Fromager(チーズメーカー):乳を原料にチーズを製造する
・Affineur(熟成士):できたチーズを預かり熟成・管理・保管を行う

これらすべてを一括して行うのがいわゆるフェルミエ(農家)製と言われるものですが、通常は乳生産者がチーズメーカーに原料乳を納品してチーズ作りが行われます。

この業務分担について、2009年頃からONETiKは画期的な試みを行っています



オペレーション名は「la collecte de lait(ラ・コレクト・ド・レ)」

原料乳生産者に納入してもらう代わりに原料乳を回収するというシステム


ミルクローリー車が細い山道を通って原料乳を回収して回ります

ONETiKは、地元の生産者との強いつながりを築くことを大切にしています。
2009年と2010年に原料乳生産者との間でスポンサーシップ事業を設立、生産者との間で80を超えるパートナーシップ契約を結んでいます。これによりONETiKは地元の生産チェーンを促進。生産のための商業シェアを確保しながら、地元の生産地域での雇用を維持するよう努めています。そして2011年12月1日以降、同社はバスク地方の45の生産者から直接羊乳の収集を開始しています。

このオペレーションは2012年のキャンペーンで合計120万リットルの羊乳を集めることに成功。これによってバスク地方でのAOC羊乳の購入量が20%増加しています。


彼らのポリシーは

・規模や場所によってブリーダーを差別しないこと
・全ての若手生産者の育成をサポートすること
・量の多寡に関わらず、全てのミルクを回収すること
・全ての原料乳に対して同じレベルで支払いを行うこと
・余剰ミルクを回収することでフェルミエ農家のサポートを行うこと
・ブリーダーが割当量を超えて生産した場合、余剰生産分に対しても適正価格で支払い ペナルティを課さないこと

2021年現在において、ONETiKは200を超える農家(131の羊乳生産者、70の牛乳生産者、11の山羊乳生産者)と契約し、ピレネー地域において2800万リットルを超えるミルクを扱っています。


この記事をシェアする

CATEGORY: 月刊 世界のチーズ